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2.しらべてみよう

 続けて両路線を走る車両をそれぞれの特徴を交えながら紹介しよう。まずは横須賀線の車両である。特徴としては『スカ色』と呼ばれる青とクリーム色の帯色だが、この『スカ色』は誕生してから既に60年近く経っている。初代は70系、二代目は111・113系、そして現在は三代目のE217系がこの色を纏って活躍している。他にも中央本線の115系や荷物車がこの『スカ色』で塗られていた。 他に同路線を走る車両としては湘南新宿ラインのE231系、成田エクスプレス等がある。


表2.横須賀線を走る車両たち

E217系言わずと知れた横須賀線の主役。基本編成は11両。付属編成は4両で、久里浜寄りに増結される。付属編成の位置が東海道線と逆(←は東京寄り)なのは逗子駅の留置線が久里浜寄りにあるため。久里浜〜逗子間では付属編成による区間運転が実施されている。
E231系(湘南色)横須賀線に乗り入れるのは宇都宮線からの直通列車で、近郊型の1000番台車。E217系とはグリーン車の連結位置が異なるため利用の際は注意が必要。また逗子以南には乗り入れない。
成田エクスプレス253系横須賀線を走る唯一の定期特急、大船以南の区間では工場出場後の試運転で横須賀駅まで顔を出すことも。
既に2代目となるE259系の投入が決定されているため今後が気になる車両である。
ホームライナーE257系おはようライナーとホームライナーが朝に上り、夜に下り、東京〜逗子間で1本ずつ運転される。この列車に使用されるのは外房・内房線向けの500番台車。以前は183系が使用されていた。
その他1いわゆる臨時列車。鎌倉駅に向かうホリデー快速や、団体列車が横須賀線を走行する場合がある。
その他2京急線金沢文庫駅近くにある東急車両からJR・私鉄問わず様々な車両が甲種輸送のために横須賀線を走る。こんな所にも横須賀線と京急線の関係があったりもする。


 最近では湘南新宿ラインの本数が増加したため横須賀線の線路上を走る列車の本数も増えた。しかし実際横須賀線の列車本数は以前とあまり変わらず。元々横須賀線を利用していた人にとってはあまり良いことではないのかもしれない。
 続いて京急線の車両である。特徴といえばやはり赤い車体だろう。最近では青い車体の車両やステンレス車両も登場し各形式の個性がより豊かになっている。京急に乗り入れる他社線の車両のうち三浦半島でも見ることができるのは都営車のみ、たまに東急車両で造られた京成や北総の車両が走ることも。


表3.京急を走る車両たち

1000形京急で最も多く製造された車両。都営、京成線との直通運転に合わせた規格で製造された。現在では廃車が進み優等運用からも離脱している。新1000形の登場により旧1000形と呼ばれることも。
800形京急の速さを語る上で欠かせない影の主役。現在は全て6両編成。普通車専用だった筈なのだが現在では短区間ながら快特や特急に使用されることも。最高時速は100km/hと他の形式よりも低い。
2000形2ドア・オールクロスシート車(一部ロング)で快特専用車として誕生、現在では後継車である2100形に主役の座を譲り、3ドア・ロングシート化されラッシュ時を中心に使用されている。
1500形現在京急の最大勢力となっている形式。バリエーションが豊富で鋼製車体とアルミ車体。界磁チョッパ制御車とVVVF制御車。車体更新車と未更新と外も中も違いが多い。1000形の後継車であるため都営、京成線へも乗り入れる。
2100形発車時に音階を奏でる事で有名な2ドア・オールクロスシートの快特専用車。現在の京急の主役である。しかし、機器更新に伴い独特のメロディーが聞けなくなるとの噂が…。他の形式と違い、運用が独立しているため、日中は20分に1本の割合で乗ることができる。2000形と違い増結車は製造されなかった。
新1000形1500形、600形同様、他社線との乗り入れに合わせた設計で運用も共通。初期車は2100形と同じく発車時に音階が鳴るが、途中設計変更が行われため、その後増備された編成からは音階が聞くことができなくなった。現在最新の3編成は同社初のステンレス車体を採用、京急ファンのみならず一般の利用客の反響も(色々な意味で)呼ぶことに…。
都営5300形赤い車体の京急に対して白い車体で違いは一目了然。VVVF制御で性能もマル。現在は空港線方面の急行やエアポート快特で使用される機会が多いが。京急本線への直通列車も残っている。しかし120km/hで運転できないため運転本数は少ない。


 京急では横須賀線をはじめとする競合路線に対抗するために120km/h運転や12両編成での運行、といった現在の独特な運転スタイルを確立してきた。京急蒲田駅付近の連続立体交差化工事が完了すれば東京方面からだけでなく、三浦半島側からの羽田空港へのアクセスも現在よりさらに便利になることだろう。



終わりに

 自分は普段利用している京急のほうが便利だと感じている。しかし横須賀線の方が便利と思うこともある、どちらの路線も三浦半島に住む人々にとってなくてはならない存在であり、これからもより便利になっていって欲しい。



参考文献

週刊鉄道データファイル75・86・119・123号
カラーブックス 日本の私鉄B『京浜急行』吉村光夫 諸河久共 著
鉄道ファン 2002年9月号



おわり


 
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